この裁判の行方を、私は注視している

seki.jpg佐伯一麦さん(作家)

 アスベスト問題は、この国の現在噴出しているさまざまな問題――企業や国の隠蔽体質。談合。いじめ。耐震構造疑惑。格差社会。差別問題。雇用格差。棄民政策――そうしたものの原点であり象徴ともいえる。私もかつて共に働いた建設労働者たちが、アスベストの被害にあって、咳き込んでいないか、苦しんでいないか。彼等にも泣き寝入りはしないという勇気を与えてくれる判決を、という祈りに似た思いで、この裁判の行方を、私は注視している。