大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟

アスベスト被害の原点・泉南地域

国の責任の明確化が不可欠

 泉南地域は、約100年にわたる全国一のアスベスト産業の集積地です。原料アスベストから石綿糸や石綿布を作る一次加工品の製造を中心に、戦前は戦闘機や軍艦などの軍需産業を、戦後は自動車や造船など高度経済成長期の基幹産業を下支えしてきました。最盛期には200社以上が操業し、泉南地域の石綿紡織品の生産額は全国シェアの約80%を占めました。

「石綿村」と呼ばれる地区も

 下請けの中小零細・個人事業主が多く、労働環境は劣悪。石綿工場は住宅や田畑と隣り合わせで、「石綿村」と呼ばれる工場が集中した地区もありました。工場内はもちろん工場の外までがアスベストで真っ白。こうした中で、戦前から現在まで、工場労働者だけでなく、家族ぐるみ、地域ぐるみのアスベスト被害が広がったのです。

sekimenmap.gif 狭い地域にたくさんの石綿工場が
印がかつての石綿工場(左の画像はクリックで拡大表示されます)

sekimengou.jpg戦前、石綿業者が海軍に献納した 艦上攻撃機「石綿号」
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アスベスト(石綿)とは?

 安価で、断熱性、耐火性などに富み、「魔法の鉱物」と言われるアスベスト。一方では、深刻な健康被害を引き起こす有害物質です。石綿関連疾患は、通常、曝露から10?50年もの潜伏期間を経て発症します。石綿肺は、進行すると咳や痰、激しい息切れに苦しむ不治の病。びまん性胸膜肥厚も肺機能が低下して呼吸困難に陥ります。肺がんは、タバコとの相乗効果でリスクが約50倍に。中皮腫は発症から1?2年で死亡することがほとんどです。石綿による病気はいずれも有効な治療法がありません。